兜町カタリスト
番外編「櫻井英明の現場に行ってみた:第11回 日経IRフェア(ラジオNIKKEIブース)」
ビジョン(9416) 代表取締役会長CEO 佐野健一 氏
ビジョンは「情報通信の未来を、すべての人たちの未来のために」がテーマ。
グローバルWiFi事業や情報通信サービス事業、そしてクランピングツーリズム事業などを手掛けています。
一見異なる分野に見えますが、「人と人をつなぐ」、そして「世界をつなぐ」でキッチリを結合。
顧客・市場・時代のニーズを的確に捉え、事業の拡大と周辺ビジネスによる差別化、業界における圧倒的な地位の確立を図る方向性での積極的な事業活動。
ビジネスとコミュニケーションのチャンスにあふれた時代精神を先取りしている印象を受けました。
顧客満足度を徹底的に追及することがポイント。
事業内容や業績もさることながら興味深かったのは佐野健一会長の自由な発想とアクティブな姿勢。
「地球の一員として多様な社会と共に創る未来のビジョン」は心に刻まれました。
1995年に新幹線の通過待ちの新富士駅でたまたま富士山を見たそうです。
その壮大さに魅せられ、運命的な出合いを感じて、「日本一を目指したい」と新幹線を飛び降りそのまま改札口を出て不動産屋さんに入り、起業のための物件を契約。
そして現在に至ったという経緯もあり、起業家の支援も各所で行っていると聞きました。
ビジョンだけでなく、日本そして世界へ羽ばたく人たちの応援。
「今期の売り上げや利益」あるいは「目先の株価動向」も重要ですが、本当に日本企業に求められているのは、こういう未来像ではないでしょうか。
起業家たちの応援団が、今行っていることは未来の日本の役に立つはず。こういう信念が感じられたトークショーになりました。
ID&Eホールディングス(9161) 取締役 蛭崎泰 氏
取締役の蛭崎泰氏にお話しいただく前に来場者に質問してみました。
「ID&Eホールディングスを知っていた人」。パラパラと手が上がりました。
「では「日本工営」知っている人」。結構たくさんの挙手がありました。
今年の7月3日にID&Eホールディングス株式会社を設立。ID&Eグループとしてホールディング体制で新たなスタートを切りました。
日本では圧倒的No.1・世界ではトップクラスのコンサルティング&エンジニアリング企業になることが目標。
だから長期経営戦略としてホールディングス化という体制の改革を選択したということでした。
日本工営は国内の建設コンサルタントの先駆けとして1946年に創業。
コンサルティング、都市空間、エネルギーの3つの事業を通じて、国内外の人々が安全・安心に暮らせる社会づくりに貢献しています。
手掛けている事業はそれこそ我々の生活に必要不可欠なインフラやエネルギーや都市空間。
通常はあるのが当たり前のものばかりですし、新たにできたものは私たちの生活を豊かにしてくれます。
でも国内外ともに同社の存在がなければこの「当たり前」は「当たり前」になりません。つまり「必要不可欠な事業に戦後から携わりそして未来にわたって行っていく強い技術力を持った企業」です。
インフラの経年による劣化や防災、スマートシティや空飛ぶクルマ。極論すれば「メタバース」の空間だってある意味同社のカテゴリー。
「世界を住みよくする」ために事業を通じて社会課題の解決を図る姿勢は、なかなか目には見えませんがとっても重要な事業。
これを改めて気がつかせてくれました。
NJS(2325) 執行役員企画広報室長 坂井貴彦 氏
執行役員企画広報室長の坂井貴彦氏にお話しいただく前に来場者に同じように質問してみました。
「NJSを知っていた人」。パラパラと手が上がりました。
「では日本上下水道知っている人」。結構たくさんの挙手がありました。
2015年に商号変更する前は「日本上下水道」でした。
1951年に下水道の専門家を育てる私塾としてスタート。創設以来、地域の上下水道の整備と水と環境を支える技術と人材の育成を推進してきました。現在では多発化・激甚化する大雨災害に対し、IoTやAIの技術を活用。雨水管理計画の策定や高精度な浸水シミュレーション、IoT下水道水位観測システム等のソリューションを提供しています。
さらに水インフラのさらなる高度化・効率化と地域の安全確保に向けてチャレンジを続けています。
ウォーターPPPなどの事業運営を担う業務(オペレーションビジネス)を積極的に拡大する方向。オペレーションビジネスの拡大を通じて、事業運営の担い手の機能を核とした「オペレーションカンパニー」を目指しています。その先はオペレーションカンパニーの取組みを通じて、管理・更新一体マネジメント、雨水・災害対策、劣化対策、エネルギー対策、地域連携などを推進する「水と環境のソリューションパートナー」。
私たちの目にはなかなか目に見えない存在ですが、長い時間をかけて未来へ続く人類の永遠のテーマ。
技術を背景にこれをしっかり受け継がせてきたのが同社だと言っても過言ではないでしょう。
水道の水がキッチリ出てくるのも、トイレや洗濯機の水がキッチリ流れていくのもこういう上下水道の整備があればこそ。
何気ない「当たり前」をやはり必死に提供してくれていることが理解できました。
クオリプス(4894) 経営企画部・IR担当 内ケ崎恭子 氏
今年6月にグロース市場に上場したニューフェイス。
「iPS細胞を使った世界初の心筋細胞シートをはじめ様々な再生医療等製品の研究開発・製造を通じて医学・医療の発展に貢献しようとしているバイオベンチャー」です。
大阪大学のiPS細胞由来心筋細胞シートに係る研究成果、ならびに第一三共株式会社が保有する医薬品の商業化に関する様々なノウハウを活用し、iPS細胞由来心筋細胞の作製ノウハウを独自のものとして展開。
大学との共同研究、および第一三共をはじめとするパートナー企業とのアライアンスを通じ、iPS細胞由来心筋細胞シートの実用化を目指している。
目指しているのは「今までにない有効な医療の開発」。
同社の強みは
(1)心臓外科医として40年近い経験がある澤CTOの知見とネットワーク。
(2)iPS細胞由来の心筋シートの治験が終了。
(3)商用化を見据えた製造体制、製造施設を自社で保有。
(4)iPS心筋シート以外の開発候補品を多数保有。
実際に会場で心筋シートを見せていただきました。これが病気に苦しむ人たちの笑顔を取り戻してくれるのかと思うと感慨無量でした。
シート状に加工されたものを、心臓に移植。心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全の患者さんを対象とし、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されるという。
バイオベンチャーに求められるのは株価は当然ですが、一刻も早く患者さんに安全有効は医療を届けること。そしてそのための信金調達や設備投資。市場よりも患者さんが待ちわびているという現実を直視させられました。
(以上)
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