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兜町カタリスト

番外編「櫻井英明の現場に行ってみた:第5回 ベイシス」

2021/11/22



「スマセッチ」
今年6月に東証マザーズ市場に上場したベイシス(4068)。
同社のミッションは「ICTで世の中をもっと便利に」。
デジタル社会をインフラで支える「インフラテック事業」が中核です。
通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し、通信インフラの設計・施工・運用・保守サービスや各種プロジェクト支援等のサービスを提供。
同社が持つ「インフラ構築・運用ノウハウ」に、最先端の「テクノロジー」を掛け合わせることで、インフラ業界のDXを推進、変革しています。
モバイルエンジニアリングサービスとIoTエンジニアリングサービスが二本柱。

今回は品川にある同社の本社にお伺いして、スマート計量計の設置のデモンストレーションを見せていただきました。
名付けて「スマセッチ」。
IoT機器などを活用したスマートインフラを構築する際に、機器の取り付けや施工の工程管理、施工後の運用・保守を依頼できるプラットフォームです。
IoT機器を活用したスマートインフラを構築するには、今まで多くの協力会社や工程管理ツールを使わなければならず、多くの時間とコストがかかっていました。
スマセッチは業者選定・管理、機器の取り付けから運用・保守までが一括で可能なプラットフォームです。
取付け工事実績は電力スマートメータ―設置台数140万台以上、全国20か所のキャリアWi-Fi構築、
これまでに様々な機器の取り付けを行ってきているそうです。
例えばスマートメーター、防犯カメラ。Wi-Fi、各種センサーなどなど。
取付け工事対応可能エリアは日本全国。
そしてクラウド施工管理システムBLASによるスマート施工管理。
従来のエクセルでの工程管理やメールでの情報共有ではなく、自社開発のクラウド施工管理システムBLAS(ブラス)により工程の進捗や作業員の管理を行っています。
また、AIによる画像認識で作業ミスも防ぐそうです。
創業から20年間培ってきた技術力と現場力で各種プロジェクトを成功に導いてきました。
「スマートインフラ構築はスマセッチに一括おまかせ!」というのがキャッチフレーズです。


※デモンストレーションのため、模擬盤を使用。ガスメーターについては顧客の資産のため、実物ではなく、イメージイラストに差し替えて表現。

「BLAS」
スグレモノはクラウド施工管理システムの「BLAS」。
一日に数千件の現場が稼働すると、エクセルでの工程管理やメールでのやり取りでは管理しきれません。
スマセッチでは自社開発のクラウド施工管理システムBLASを活用することでスマート施工管理が可能です。
現場の作業員はスマートフォンでBLASにログインし、現場情報を確認。
作業工程を撮影し、写真をアップロード。
すべての情報はBLASに蓄積され、リアルタイムで情報を確認できます。
機器の取り付け間違いなどもその場で指示を出すことができ、作業員や機器の無駄な出戻りも防げます。
また、AIによる画像認識を行っているため、シリアルナンバーの突合や、カウントメーターの事後確認もAIが自動的に行います。
作業後は自動でレポートが作成されるため、事務所に戻って改めてエクセルに写真を貼り付けて作業完了報告書を作成する必要はありません。
また、発注者もログインできるため、発注者自身で進捗を確認することも可能です。
デモンストレーションで拝見したNCUの設置は1台2分ほどで完了。
※NCUとは、ガスメーターに設置することにより、ガス使用量などのデータを読み取って無線通信でクラウドに送信したり、ガス漏れなどの異常検知時に集中監視センターなどへ通知したりすることができる機器。
従来は面倒な確認作業などがありましたが、BLASを使うとひとりで1日あたり数十件の取り付けが可能になります。
またQRコードによる検品作業が可能なので、いままで品番等を手入力していた時間も節約。
スマホカメラに撮影するだけでさまざまな報告書もリアルタイムで完成。
時間のかかった作業がスムースに展開できることになっていました。
多くの機能がありますがどれも簡単な作業。
例えば現場作業員向け機能。
出発前登録:毎朝、現場出発前の準備を記録可能。
掲示板閲覧:毎回ログイン時の最新情報を確認可能。
作業結果登録:作業結果をリアルタイムで登録・更新可能。
現場写真登録:報告書に必要な現場写真を作業時に登録可能。
検品・持ち出し記録:QR・バーコード読み取りにより機器の検品・持ち出し登録が可能。
設置・返却登録:QR・バーコード読み取りにより機器の設置・返却登録が可能。
これだけで、現場の作業員さんの時間は相当な節約になります。

スグレモノはこれだけではありません。
プロジェクト管理者向け機能も充実しています。
出発前登録確認:作業者の状況を一覧で表示し確認・管理が可能。
進捗確認:案件の進捗・実績をリアルタイムで確認可能。
成果物確認:成果物(データ、写真等)を確認可能。
成果物自動点検:成果物(データ・写真等)をAIで自動点検可能。
報告書自動作成:顧客に合わせて報告書をボタン一つで作成可能。
画像一括出力:顧客指定のフォルダ構成、名前で画像を出力可能。
機器管理:顧客のステータス・所在・シリアル管理が可能。
などなど。

これなら作業員さんの直行直帰も可能になり、働き方改革の一環に有効です。
作業時間は実に93%削減されたという試算もありました。

当然ながら発注者は進捗確認・成果物確認がリアルタイムで可能になります。
「ボタン一発出力」という表現も聞かれました。

そしてこれらを可能にしたのは臨機応変な現場力
大規模・小規模、全国エリア・狭域エリア、各種通信方式、設置条件、設置環境等様々な案件、プロジェクトの実績があるため、臨機応変な対応ができます。
当初予定していたプランとは違うイレギュラーが発生したとしても、培ってきた現場力で最適な提案が可能になるそうです。

「BLAS」は実際の現場での社員さんの声から誕生したそうです。
同社の現場重視の姿勢はオンリーワンの存在といっても過言ではないでしょう。
数多くのが現場体験があるからこそ、その先の「より良く」が見えてきたに違いありません。
「作業の生産性を上げる」。
このことに向かって全社員が考えて動いた結果が「BLAS」。
これこそ素晴らしい成果物でした。

そして・・・。
こういう武器があるからこそ広がっているのはベイシスパートナーズ。
日本全国で対応が必要な施工や保守、点検作業などフィールド業務案件を同社は受注。
その対応エリアで対応可能な協力会社に発注する仕組みです。
案件が携帯基地局建設といった大規模な施工案件から、IoT機器設置といった軽作業まで多岐。
日本全国で対応が必要なため、協力会社ネットワークを全国隅々まで構築する必要があります。



「もしも」
心にしみる同社のメッセージ。

世の中にとって価値ある仕事とはなんだろうか。

誰も知らないサービスを構築することか?
誰も扱えないような最新のシステムを扱うことか?

本当にそうだろうか。

真に価値ある仕事とは、それがどれだけ複雑で最新なものか
どうかではない。
それがどれだけ世の中の人たちの助けとなっているか、
「当たり前」になっているかだ。

「最先端」のままでは社会を救えない。
最先端を最先端でなくし、「当たり前」に変える。
それが私たちの仕事であり、存在意義だ。

当たり前のものに人は注目しないかもしれない。
当たり前のものに人は感動しないかもしれない。

けど、それでいい。

誰にも扱えない最先端技術を、誰でも扱える「当たり前」へ
それがベイシスにとっての
プロフェッショナルであり、存在意義。

最先端であることを誇らない。
当たり前にしていくことが私たちの誇りだ。

「『最先端』のままでは社会を救えない。最先端を最先端でなくし、『当たり前』に変える」という同社の姿勢を体で感じた秋の日の午後でした。

市場ではIoTや5Gなどに関する製品やソフトウエアなどに関する展望は数多いもの。
しかし現地現場で誰がそれらを構築していくのかの議論は稀です。
川上でなく最下流のラストワンマイルを担う同社の業容をよく吟味してみれば「必要不可欠で明確な未来があり強い展開力を持つ」。
未来都市のスマートシティだって同社の「ラスト1マイルではなくラスト1メートル」の現場作業がなければ完成しません。
ココを忘れてしまうと、世の中理念先行でなにも成就しない可能性があります。
「誰が最後の設置をする?」。
この問いかけに対する答えがベイシスさんにありました。
同社のビジョン「変化し、変化させ、必要不可欠な会社に」の頭文字は「ヒ・ミ・ツ」
現場から未来につながる同社のフィールドの未来はおそらくワールドワイドでブルーオーシャンに違いありません



(以上)

ベイシスの銘柄情報はこちら >>

櫻井英明の現場に行ってみた:第4回 SEED はこちら >>
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