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兜町カタリスト

番外編「櫻井英明の現場に行ってみた:第2回 ANAP」

2021/06/22



東京原宿・竹下通り。
全長350メートルばかりの通りはクレープの甘い香りに包まれ通りに面したファッション・ブティックは全国の少女たちの憧れの聖地。
コロナ禍前は外国人も含めてごった返していた場所です。
竹下通り沿いはファッションの街として知られ「カワイイ」文化の本場。
きゃりーぱみゅぱみゅが育てられた場所でもあります。
世界にも知られた竹下通りの「今」がどんな感じなのかを知りたくて1992年10月開店のANAP(3189)原宿・竹下通り店を訪ねてみました。
前回訪問したのは2019年の4月27日。
GW入りしたばかりの竹下通りにたくさんのギャルと元ギャルさんたちがあふれていた光景は今でも脳裏に焼き付いています。



「聖地」
ANAPといえばピンク系の色が思い浮かびます。
竹下通りを南に少し入った場所にあるANAP GiRL 原宿竹下通り店。
ウエストコースト、イーストコースト、ダーティーサウスの香りが漂うような感じ。
周囲の風景からは完全に浮いているおじさん達でも、何となく気分が高揚する場所。
アラサーは懐かしみ、ティーンは「なるほどぉ」がいっぱい。
「海外ブランドにも引けをとらないセクシー&ゴージャス」で満ち溢れていました。
そして入り口には「本日は新型コロナ影響の中、ANAPにご来店頂きありがとうございます」。
これも世相なのでしょう。
2年前に来た時に店内のおられた親子連れのお客さんへの質問。
「どこから来られました?」。
「埼玉から」。
娘さんよりもお母さんが「ANAPファン」みたいな印象が残っています。
ANAPは通販も行っていますし全国的に出店もしています。
それでも類推するに、全国のガールたちにとって「原宿のANAP」は聖地みたいなものなのでしょう。



「こんなに可愛くキレイにしてるのに…」
店長さんに聞きました。
「お客様は戻って来始めました。
関東近県だけでなく、先日は大阪からお見えになった方もおられました」。
ただ今回訪問したのは平日の夕方。
お客さんの姿はほとんどなく、目に付いたのは店員さんが丁寧にお店を掃除する姿。
「いつ来ていただいてもいいようにきれいにしています」。
遠くから、時間をかけてやってきてくれるお客さまのために、人知れず掃除する姿。
やっぱりこういう努力の向こう側にファンがたくさんいるのでしょう。
「内緒ですけど、平日の方が空いているからって夕方においでになる女子も結構いるんですよ」と店長さんが教えてくれました。
聖地はいつでもやはり聖地です。
そして…。
「コロナは結構キツイです。
こんなに可愛くしてるのに…。
どうして来てくれないの、と思ったこともあります。
でもおいでいただいたお客様の言葉は「開いてて良かった」。
109もラフォーレもお休みだったころに聞いた言葉だそうです。
「皆、強くなりました。
今日だめでも明日もがんばろう。
いつか戻ってくるっていう感じですね。
その日のためにめげないで頑張っています。
逆にインスタなんかを充実させているということもあります」。

ANAPのホームページ等に掲載されている社員さんたちの言葉。
「ANAPには個性を活かせる環境があります。
みんなのマインドがギャルです!
楽しいことが好き、イベントが好きという気持ち」。
「ジャンルレスな所がANAPというブランドの魅力だと私は思っています。
ファッションが好きでおしゃれが好きな人なら誰しも自分のセンスを試してみたいと思うはずです。
ANAPではそれが叶いやすい職場。
働いている方たちもみんなおしゃれ。
流行にも敏感なので刺激になり、自分の好きなジャンルだけにとらわれず勉強になります」。
「好きなことを、好きなようにできるって、とても幸せなことだと思います。
そんな幸せを感じながら働いている人々の集団、それがANAPです」。
「生まれも育ちも、性格も、みんな違う。
でも、ファッションが好き、ANAPが好き、
その思いはいっしょです。
みんなが主役になって活躍できる、自由な環境があります。
スタッフ一人ひとりの情熱、個性。それがANAPを大きく育てるチカラ。
これからもANAPは、ファッションを愛するたくさんの人々に愛される企業をめざしていきます」。
本当にみんなANAPが好きなんですね。



「インスタグラム」
お店の奥の方に置かれた大きな鏡の前にイスが置いてありました。
「最近、イベントもないので、みんなココで自撮りして写真置いて行ってくれます」。
かつては、ANAPブランドを着て竹下通りを歩いていたようなガールたちは今、ここに自撮りの写真を置いていました。
「夢」を実現してくれそうな世界が彼女たちにとってはココにあるのでしょう。
同行した女子アナさんは昔に戻ったような様子でしばし座り続けていました。

原宿の道を歩きながら聞こえてきた声は「最近尖った子が減ったよね」。
尖ったという意味はよくわからないのですが、感覚的には「尖って」なくて「おとなしくなった」ということなのでしょうか。
全身キラキラというよりもしっとりとした大人の印象が増えてきたのかも知れません。
でも…。
ANAPさんこそ尖って言っている最先端でしょう。



「ピンクとモノトーン」
ANAP GiRLのすぐ近くにあるのは「ANAP 原宿竹下通り店」。
ANAP GiRLのレインボーチックな外観とは異なり黒を基調とした落ち着いた様相。
「これがANAP」というような感じです。
逆に落ち着いた色彩だからこそ世代の幅は広く、まさに母娘でペアルックも可能。
ANAP GiRLを卒業してもまだ「ANAP」とのお付き合いができるような感じでした。
昨年3月20日にリニューアルオープンした時にはまさにコロナ禍真っ盛り。
それでも頑張ってきています。



「原宿にイタリア」
明治通りと表参道が交差するのが「原宿」の交差点。
ラフォーレと東急プラザがあり大人たちと若者たちの東京みたいな場所です。
道を1本入れば吉田拓郎さんが歌った「ペニーレインでバーボンを」のPENNY LANEがあります。
そんな都会チックな交差点で表参道に面して位置しているのは同社のブランド「セッティミッシモ」。
「MODE」を起点にエッジの利いたさりげない個性を引き出すスタイリングを提案。
斬新かつアバンギャルド。
しかし着回しの利くオリジナルラインとイタリア直輸入の他にはないディテール。
柄、素材に拘ったインポートアイテムを展開しています。

その心は「自分のスタイルを貫く、芯のある女性を表現できるブランド」。
高級そうに見えるのですが、お財布にも優しいイタリアブランド。
女優さんたちにもご用達というお話を伺いました。
そして「アルージュ」。
エイジレスにFashionを愛し、仕事もプライベートも思い切り楽しみたい女性へ
Timeless & Playfulを軸に、スタイリングを自由に楽しむ大人の女性のアーバンスタイル
着ることだけを目的とせず、その後のシーンまでイメージできるアイテムを発信しています。

地下へと続く階段の入り口はまるでおとぎの世界への扉。
そしてお店に入ると地下2階と1階が回廊式に展開し、気分はそれこそヨーロッパという印象でした。
同行した女子アナさんがいろいろなものを買った後の印象に残った一言。
「久しぶりの買い物楽しかった~」。



「成長戦略」
家髙利康社長は語ります。
ANAPは、創業当時から一貫して、お客様目線で楽しい空間を創造すること、つまり色々なイメージの詰まった楽しいお店で買い物をしてもらうことを何より重視してきました。
これは、多彩な商品バリエーションとスピーディーな供給力を強みとして、柔軟に時代・地域のニーズに対応してきたことによります。

昨今、若者の行動変化、特にスマートフォン、SNSの普及など、コミュニケーションツールの変化によりお金の使い道が洋服ではなくなってきており、実際店舗におけるお客様の滞在時間やサイト観覧時間も短くなってきています。
さらに新型コロナウイルス感染症感染拡大は社会、生活を一変させており、時代はまさに変化の時を迎え、従来の事業戦略からの転換が求められていると考えております。

このような時代の変化に対応すべく、継続的に事業戦略の見直しを図りながら、新しいビジネスモデルを確立するため、成長戦略にふたたび舵をとってまいります。
ウィズコロナ、アフターコロナの社会を見据えて、「EC強化」、「売上の見込める場所での新規出店」といった既存事業での利益確保と「海外展開」、連結子会社ANAPラボにおける「ITや再生医療関連の事業推進」といった新規事業へのシフトも同時に進め、さらなる成長の足がかりとしていきたいと考えております」。

だからこそ中国版ZOZOTOWN「ZOZO」にANAPが新規オープン。
ECでの人気の源泉であるためにも原宿ファッションへのこだわりは大切に思えます。

家髙社長は話されたようにお金の使い方は変わってきたのかも知れません。
でも同行した女子アナさんの「久しぶりの買い物楽しかった~」。そして「スッキリした~」。
欲しいものは欲しい。本物が欲しい。
気に入ったファッションで自分を飾りたい。
人間の本能はきっと変わることはないように思えます。
今回はあえて、コロナ禍の原宿・竹下通りに向かいました。
その理由は「コロナ禍が去った後にきっと戻ってくるはずの賑わいと対比したい」です。
その時にはもう一度第2弾として「やっぱりそうだったんだ」という取材をしたいと思います。

因みに…
ジャングルチックな緑色のキャップが欲しかったのですが、残念ながら「ANAP GiRL」だったのでサイズがありませんでした。

(以上)

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