FX取引をしていると「ロット」という言葉をよく耳にすると思います。ロットとはFX取引していくうえで、単位を指すため覚える必要があります。
ロットを覚えて上手な活用ができれば、安全な取引を行えるため覚えていきましょう。
今回の記事では、FXのロットについての解説と上手な活用方法を解説します。
FXのロットとは取引通貨単位・売買単位を意味する
FXのロットとは、取引通貨の単位・売買単位を意味し、取引の規模を決定する基本的な要素です。
FXは、通貨ペアの売買を繰り返して、通貨ペアの変動幅によって利益を得る仕組みです。
しかし、FXで取引可能な通貨ペアは、基本的に小数点以下の数字が変動します。
小数点以下の数字が変動するため、通貨をまとめて保有して取引する必要があります。
例:1ロット=1通貨分とした場合
・1ドル=150.000円のときに、150円分だけドルに交換した場合
・交換後:ドルの価値は、1ドル=150.010円になった場合
1ドル=150.010円になった場合に、再度保有してるドルを円に交換すると0.1円増えた状態で交換可能です。
FXでは、上記の取引を繰り返して利益を得る仕組みです。
ただ、この場合は1ロット分を交換したため、0.1円の利益しか得られません。
1回の取引で得られる利益を増やすためには、通貨をまとめて交換する必要があります。
たとえば、前述した例と同じ条件でロットは10倍の10ロットで取引した場合、利益も10倍の1円の利益を得ることが可能です。
ロットは、一度に保有する通貨の量を設定する際に用いられ、FX取引では基本的な要素となります。
FXのロットは通貨価格によって1ロットの定義が異なる
通貨ペア | 取引単位 |
---|---|
米ドル/円 | 1万ドル |
ポンド/円 | 1万ポンド |
ユーロ/円 | 1万ユーロ |
豪ドル/円 | 1万豪ドル |
メキシコペソ/円 | 10万メキシコペソ |
南アフリカランド/円 | 10万南アフリカランド |
ポンド/米ドル | 1万ポンド |
ユーロ/米ドル | 1万ユーロ |
FXのロットは通貨価格によって1ロットの定義が異なります。
たとえば、メキシコペソや南アフリカランドは通貨の価格が安いため、通常の10倍である10万通貨が1ロットです。
10万通貨の取引の場合10倍の為替変動をするため、取引する際は注意しましょう。
FX初心者にとっては危険な通貨となるため、取引に慣れるまではメキシコペソ・南アフリカランド以外の通貨ペアで取引すると良いでしょう。
ロットの計算方法は通貨レートと取引数量で求められる
1ロット=通貨レート×1万通貨
為替相場は常に変動し価格も変わり続けています。
1ロットは1万通貨ですが、為替変動があるため必ずしも同じ金額にはなりません。
上記の計算を行う事で、正確なロット数を出すことが可能です。
1ロット=107円(通貨レート)×10,000ドル(1万通貨)⇒107万円で購入できる
米ドル/円レートが107円の場合、1ロットの購入をすると107万円の日本円が必要です。この計算はどの通貨ペアでも同様のため、1ロットの金額を知りたいときはこの計算式を活用してください。
FXのロットを理解して上手な取引をしよう
- ロットは設定した数量によって値動きによる損益が異なる
- 1ロットあたりの必要証拠金はレバレッジも用いて求められる
- ロットは数量によって通貨変動による損益が変わる
- ロットの定義はFX会社によって異なる
FX取引においてロットの理解で損益の大きさは変わります。
正しい理解をすることで取引幅も広がり、上手な取引を行えます。
FX取引をするときに、担保として預けた証拠金の数倍もの資金を動かすことのできるレバレッジを使用して取り組んでいく人もいるでしょう。正しい計算方法を覚えてうまく活用しましょう。
またFX会社によってロット数が変わるため、事前にどのロット数か調べておくことも大切です。
値動きの幅で損益の大きさも変わりますが、具体的にどれくらい変わるのでしょうか?次の項目で詳しく解説します。
ロットは設定した数量によって値動きによる損益が異なる
米ドル/円 | 1pips (0.01円) | 10pips (0.1円) | 100pips (1円) |
---|---|---|---|
0.1ロット | 10円 | 100円 | 1,000円 |
1ロット | 100円 | 1,000円 | 10,000円 |
10ロット | 1,000円 | 10,000円 | 100,000円 |
FX取引をおこなう場合の損益は、値動きを示す単位であるpipsの大きさで変わります。
1ロットで取引を行うとき、1pips(0.01円)の変動で100円・10pips(0.1円)で1,000円・100pips(1円)で10,000円の損益が発生します。
10ロットになると、1pipsで1,000円・10pipsで10,000円と損益が大きいです。ロット数を上げることで損益も大きくなるため、初心者のうちは、無理なロット数で取引は行わないようにしましょう。
1ロットあたりの必要証拠金はレバレッジも用いて求められる
為替レート×ロット÷レバレッジ=1ロットあたりの必要証拠金
口座資金÷必要証拠金=取引可能ロット数
FX取引でレバレッジを用いて取引を行う場合、上記の計算方法で1ロットあたりの必要証拠金が求められます。
また必要証拠金が分かれば取引可能なロット数も出せるため、自分の資金でどれくらいのロット数をかけれるかも調べることができますよ。
105円(為替レート)×10,000ドル(ロット)÷25=42,000円(必要証拠金)
1,000,000円÷42,000円=23.8ロット(取引可能ロット数)
例えば1ロット(1万通貨)の場合、レバレッジ25倍を使用していると1ロットあたりの必要証拠金は42,000円で、取引可能ロット数は23.8ロットまでと計算が出せます。
ロットは数量によって通貨変動による損益が変わる
ロットは、数量によって通貨変動による損益も変わります。
損益を求める際の計算式は、上記で行うことが可能です。
例えば、米ドル/円レートが105円の時に1,000通貨(1ロット)の買い注文を入れ、107円で売却した場合は(決済価格107円ー注文価格105円)×1,000通貨=2,000円が利益となります。
(決済価格107円ー注文価格105円)×10,000通貨=20,000円
(決済価格107円ー注文価格105円)×100,000通貨=200,000円
上記のようにロットを上げることにより、損益の大きさが変化していきます。
ロット数を上げることで利益も上がりますが損失が発生した場合も大きくなるので、注意してロット設定は行なっていきましょう。
ロットの定義はFX会社によって異なる
FX会社 | 最小通貨単位 | 1取引の上限 |
---|---|---|
SBI FX トレード | 1通貨 | 1,000万通貨 |
外為どっとコム | 1ロット=1,000通貨 | 500万通貨 |
GMO外貨 | 1ロット=1,000通貨 | 200万通貨 |
みんなのFX | 1ロット=1,000通貨 | 100万通貨 |
LINE FX | 1ロット=1,000通貨 | 100万通貨 |
セントラル短資FX | 1ロット=1,000通貨 | 300万通貨 |
GMO クリック証券 | 1ロット=1,000通貨 | 100万通貨 |
DMM FX | 1ロット=10,000通貨 | 100万通貨 |
初心者がFX取引を行う際は、どのFX会社がどれくらいのロット数で取引を行えるのかも知る必要があります。
SBI FX トレードは最小通貨単位(最小ロット数)が1通貨からなので、初心者向けのFX会社と言えます。資金が少ないと損益も少なくなりますが、「リスクを抑えて取引したい」「少額から始めたい」という人はロット数の少ないFX会社を選ぶと良いでしょう。
損益を抑える場合は小ロットで取引をおこなう
FX経験の浅い初心者は高いロット数で取引するより、最初は小ロットで取引をオススメします。
小ロットで取引を行うと、利益が少なくなる・大きな利益を出すのに時間がかかってしまうデメリットがあります。
そのため、高ロットで取引を行う前に小ロットでFX取引に慣れることが大切です。
小ロットで取引をおこなう際のメリット・デメリットは下記の通りです。
- 利益が少なくなる
- 大きな利益を狙うには時間がかかる
- 損失が少ない
- ロスカットされにくい
- ポジションの追加をしやすい
- 経験を積むことができる
その点、小ロットで取引を行うと損失が少なくロスカットされにくいため、FX取引の経験を積めます。
様々な取引方法を試すことも出来ますし、自分に合った取引方法も見つけることが出来るため、初心者は小ロットで取引を行うと良いでしょう。
まとめ
今回はFXのロットについて解説しました。
FXの取引単位であるロットは1ロット1万通貨と考えるのが一般的ですが、FX経験の浅い初心者は1万通貨で取引を行うにはリスクが大きいです。
正しいロット計算を覚えることで、取引する際に自分に最適なロットを設定できますよ。
またFX会社によって最低ロット数が異なるため、事前に調べておくことでリスクの少ない取引が出来ます。
FX取引が初心者の人は、損失が少なくロスカットされにくい小ロットで取引がオススメです。
小ロットで取引することでFXの経験をたくさん積むことができますよ。